昭和5年(1930年)創業の老舗うどん店。現役で活躍している年季の入った岡持や自転車、黒電話。店舗の外観や店内は、昭和の佇まいをそのまま残したようなノスタルジー漂う。
店の向かいには、国の重要文化財に指定されている、大正11年(1922年)に建てられたネオ・バロック様式のレンガ造建築物「名古屋市政資料館」がある。
40種類を超える料理の味も創業時から変わらない。麺はすべて金トビ粉を使った自家製で、昼の営業後に生地をこねて作っている。一昼夜ねかせて塩水をなじませた生地を、薄く伸ばして作るうどんときしめんは喉越しが良い。
麺に合わせるツユは、身の部分だけを使った宗田節、鰹節のだしがベースのすっきりした味わい。食材から調味料まで、仕入先の大半も変わらず、いつ来ても慣れ親しんだ味を楽しめる。
「きしめん」は、標準的な8mm幅の麺で、油揚げ、ほうれん草、かつお節と今も変わらない定番の具がのる。名古屋のうどん屋のメニューでよく見かける「志の田うどん」は名古屋独特のメニュー。透き通った白つゆは、ソウダガツオと白醤油のみで味付けして、具にネギ、かまぼこ、油揚げが入る。
「おかめうどん」は椎茸、花麩、かまぼこ、ほうれん草がはいっている。「カレーうどん」は、とろみのある半透明のカレーつゆで、カレー粉にあんかけうどんのように片栗粉を混ぜて、和風だしで仕上げている。具はネギと豚肉と昔懐かしいカレーうどん。
揚げたてのカツをふわっふわの玉子でとじた「カツ丼」も人気。
完全禁煙